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なぜ、私はつらい思いを分かち合わなかったのか?

「自分をメンテナンスしてセルフケア力を高めよう」(ヘルスケアワーカーキャリア学会)のワークショップに参加しました。グループセクションで、私の体験を話す機会があり、ふと神戸を襲った第4波の時の話をしましました。

第4波は医療者にワクチン接種が始まったばかりで、高齢者の患者さんが感染したり、重症の患者さんや自宅療養者が爆発的に増えました。どこの病院の病床もいっぱいで、感染が分かっても自宅で保健所からの連絡を待ってもらう状況。それでも感染者は増え、私は、「看護師として何もできない」という大きな無力感に襲われました。

なぜあの時、つらい気持ちを分かち合わなかったのか?「みんな大変だったから」「そんな時間や隙間もなかった」「コロナが終わったら押しいもの食べに行こうと約束してたから」・・・。襲ってくる大きな波に覚悟を決めて、「それぞれの場所で、できることを頑張ろう」と声を掛け合い、当時すすめていた共同研究も中断した。波にさらわれないように、踏ん張って流されないように立っているのが精いっぱいだったな。

新聞・テレビで同期や先輩が同じように無力感を感じていることを知りました。「無力感を感じているのは自分だけでない、こんなのでいいのか・・・?」、看護師にこそケアがいるのではと考え始めた時でした。

迷いや悩み、気持ちを吐露したり、分かち合い互いにケアする。制限がなくなったら「こんなケアがしたい」とビジョンを持ち確認し合い、モチベーションを高める。どれも他者が介在しています。一人でもできるケア、他者がいてできるケア、どちらも大事なことを再認識したワークショップでした。